尚武館は昭和39年4月、鹿児島出身の自源流第二十七代宗家上野源心館長により、東京浅草の一等地に建設された。
剣道、居合道、柔術等を網羅する総合武道場として運営され、皇室出身の賀陽宮恒憲王を顧問に迎え、戦後20年目の日本武道界に於いて、青少年育成を推進する関東地域の中心的役割を果たした。
尚武館から排出された武道家は多岐に及び、剣道、居合道、抜刀道等の指導者として国内国外を問わず活躍した。
『真の武道家とはかく有るべき』と、源心館長の親友であり講談社野間道場出身の森寅雄師範は語る。
森寅雄とは戦後米国に渡り、生涯を剣道一筋に捧げ、米国に日本剣道の礎を創った人物で、全米フェンシング界を制覇したタイガーモリである。
森寅生先生
尚武館が創立五年目を迎えた頃、源心館長は病の床に伏した。真にこれからといった時期であった。
六年目に道場は閉鎖され、解散のやむなきに至ったが、その功績は他に類を見ないものであった。
昭和57年、上野源心館長の名誉を称え『総合武道源心会』が設立される。会長には天眞正自源流兵法第二十八代継承者の上野景範師範が推挙された。
『総合武道源心会』は主に関東で活動を行ってきたが、現在では、国際的に指導を行い、米国支部と欧州支部を設けている。
門下には剣道教士八段、錬士七段等を含み、古武道では天眞正自源流兵法、疋田新陰流剣術、関口流柔術などを網羅している。
平成21年10月、二代目館長に上野景範師範を迎え、新生『尚武館』として正式に活動を行う旨が決定した。
埼玉県春日部市に総本部事務局を置き、尚武館本部道場では毎日の稽古が可能となるよう、自由時間稽古制が導入されている。
尚武館では稽古時間を限定せず、稽古開放時間内に門下生は道場に自由に出入りが出来て稽古ができる体制を調えている。
