2010年4月、米国ウェストバージニア州セミナー<終了>
2010年4月24日、25日に、米国ウェストバージニア州ランソンにある、
Zingg's Karate Centerにて、御流儀居合剣法のセミナーを2日間行いました。
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セミナーでの教授内容(一部)
セミナー内容の記録
- 4/23(金曜)
- ウェストバージニア州ランソン着
- 4/24(土曜)
- 午前
- 自源流の歴史などについて講義
- 午後
- 居合術班と剣術班に分けて講習。抜刀納刀、曇耀、電光、木の葉隠、十二箇之太刀
- 質疑応答、自源流対トンファー、対サイの戦法再現等
- 午前
- 4/25(日曜)
- 午前
- 尊形刃斬合之法形の説明・内記&原師範による演武及び解説、十二箇の太刀演武及び解説。
- 午後
- 試斬講習、居合法形及び抜刀納刀の復習、天眞正自源流居合法形模範演武等
- 午前
セミナー後に頂いた感想:
We would like to thank you once again for letting us participate in the seminar, it was an experience we will never forget. Please thank especially master Ueno for his kindness and his one on one attention. To be in the presence of such a great master was an honor and we are forever grateful. We look forward to practicing with you again when we visit Japan.
このセミナーに参加させていただいたことを、改めて感謝申し上げます。このセミナーは、私たちにとって決して忘れられない体験となりました。親切に個人指導までしてくださった上野先生には、格別の感謝を申し上げます。先生のような偉大な指導者にお会いすることができたのは、大変名誉なことですし、生涯感謝しつづけることでしょう。いつか日本にお伺いして、皆さんの稽古に参加させていただくことを楽しみにしています。
I just wanted to let you know that I really appreciate everything that your school brought to the seminar this past weekend. It was a thoroughly enjoyable experience of learning and appreciation of the Jigen Ryu style of sword art. Everyone on your team was kind and thoughtful in the instruction process and this made learning easier. I look forward to learning more about Jigen Ryu and will certainly be interested in your next seminar in the United States so I can learn further about this exciting and ancient art.
先週末のセミナーで、皆さんがご披露くださったわざと教えに、心から感謝申し上げます。はじめから終わりまで、自源流刀法を存分に味わうことができました。日本からいらっしゃった指導者の方々は、みな思慮深くそして親切で、その御陰で教授してくださる内容がとてもわかりやすかったと思います。 自源流について、今後ももっと学んでみたいと思っています。次回に米国で開かれるセミナーにも、ぜひ参加させていただき、この歴史ある武道について理解を深めたいと思っています。
Thank you again for the excellent seminar last weekend. It was very informative and also a lot of fun. I learned much. Please thank the other instructors again for me as well. I understand that your dojo is about an hour away from Tokyo. Do you think it would be possible for me to visit and train further, say over a week?
先週末の素晴らしいセミナーに、改めて感謝申し上げます。教授内容は大変豊富であり、また、とても楽しい体験でした。私は、とても多くのことを学ばせていただきました。指導者の皆様方にあらためてお礼申し上げます。 皆さんの道場は東京から1時間くらいのところと伺いました。質問なのですが、そちらに伺って、例えば一週間位集中して稽古をつけていただくことは可能でしょうか?
I am so happy and excited that I was able to attend. The level of skill I have witnessed in Tenshinsho Jigen ryu is beyond any I have seen before. Thank you all for coming to US to share.
セミナーに参加させていただき、とても感謝しています。私が目撃した天眞正自源流の技のレベルは、これまでに私が見たどのような技も凌駕していました。わざわざ米国にお越しいただき、ご教授くださった皆様すべてに心から御礼申し上げます。
I would like to thank all of you for being so willing to share your knowledge with us. It has been a great honor to receive instruction from such a wonderful group of people such as yourselves. I look forward to continuing my training in such a rich and diverse art as Jigen Ryu.
セミナーにおいて、みなさんがとても親切に自源流の知識を披露してくださったことにお礼申し上げます。皆さんのような素晴らしいかたがたからご指導いただけたことは、大変名誉なことです。豊で奥深い自源流の技を、今後も稽古させていただくことを楽しみにしています。
Thank you again for the opportunity to train with such outstanding martial artists!! Jim Stangle and I train the drills, kata and juni ka no tachi several times a week. We deeply appreciate the time and effort all of you made to come again to West Virginia. Please give our best wishes and thanks to both Ueno Soke, and the Shihans. Look forward to seeing you again in the future.
皆さんのような素晴らしい武道家と稽古をともにさせていただき、改めてお礼申し上げます。私の友人と私は、教えていただいた居合法形や十二箇の太刀を、一週間に数度、共に稽古をしています。貴重なお時間と手間をかけ、わざわざウェストバージニアまで再び来てくださったことに心から感謝しています。私たちの心からのお礼を、上野宗家及び師範の皆様にどうぞお伝えください。また、皆様にお会いできることを楽しみにしています。
セミナーを終えて
杉山慶太朗
自分達がやっていることは一体何なのだろうか。米国に出張して行うセミナーは今回で二度目となるが、準備、セミナー、そしてセミナーの後、ずっと考えている問である。何を目指すべきなのだろう。
自源流のセミナーに集まる人々は錚々たる面々である。みな、一流一派の道場主または技術部長レベルが、遠路そして2万円近いセミナー費用を、折角の週末を、物ともせずやってくる。車を飛ばして6-10時間はザラ。ある参加者達は1000キロ以上の彼方から、飛行機に乗ってわざわざやってきて、非常に真摯に取り組む。
例えば、十二箇の太刀を、4番目の寸から12番目の真まで、2時間ぶっ続けで教授することになったことがあった。指導者が続けて懸り役を行い、セミナー受講者は5-6人が1列で、一人ずつ待ち役となって技を憶える。それゆえ、空き時間がどうしてもできてしまうのだが、飽きた様子を見せる者は一人もいなかった。
自分の番で無いときには、他の者が稽古している姿を観察し、それについて仲間と討議している。だから、基本的な技術が、法形を順番通りに進めていく中でさえ確実にアップしていた。空恐ろしくさえなった。中には十代の若者もいるのだが、飽きたような素振りを見せた者は一人もいなかった。
そんな彼らに提供すべきものはなんなのだろうかと常に考える。こちらが拙い英語でなんとか伝えようとする内容を、必死に追ってくる顔を見れば、自分の教えられる内容などたかが知れいているが、それでも自分の持つもの全てを可能な限り伝えたい気持ちになる。そして、彼らがどこまでそれを消化して自分のものとし、また昇華してこちらに見せてくれるものか、そして自分はそれからまた何を学ばせてもらえるのかと期待するようになる。
長い時を越えて伝えられう天眞正自源流の教えの中に、「弟子は自分より強くするべし」という一条がある。「弟子は自分より強くしない」という話なら、よく聞かれるし、また、わかりやすい。弟子が自分より強くなってしまったら、道場を出ていってしまうくらいならまだしも、自分が倒されてしまう可能性だってあり、それでは困るからである。しかし自源流は違う。1000年以上に渡って、積極的に自分より弟子を強くし続けてきた。
なぜなら、人を指導したことがあれば誰でもわかることだが、他人を助けることほど自分の成長に役立つ大きな学びは無いからである。他者を己と同じく大事にし、その成長を真剣に助けることにより、一方の自分も大きく成長する。己のみ利すれば良いとする殺人刀のあり方ではない、自源流活人剣の思想の一つである。
今回のセミナーにおいてもまた、自源流剣士の面々は参加者の皆さんに最大限益すべく、それぞれが持ち味を惜しみなく発揮した。内記・原両師範は、演武においては尊行之刃斬合組太刀を披露し天眞正自源流真剣刀法の精髄を見せ、指導においては十二箇組太刀や数々の居合法形を言葉の壁を超え、文字通り手取り足取り教授した。上杉剣士は両師範の通訳として、また、明るく社交的な性格を活かし、積極的にセミナー参加者と交流を図り、米国の人々と自源流との友好を深めていた。そして上野最高師範は、全体指導をなさる時もあれば、時に内記・原了師範に指導を託し、ご自身は、必要に応じてセミナー参加者に個別指導をさずけられるなど、セミナー全体の舵取り役を果たされていた。
今回のセミナーにあたり、上野最高師範は正道と邪道と題した一文を参加者へのメッセージとされた。御文のテーマの一つとして、文化継承における正道の評価は、それを見た者の心に感動を引き起こすことができたか否かであるという問題提起が含まれている。
手前味噌ではあるが、前述のような感想を頂けたことから、我々のセミナーは、正道として成功であったのではないかと思う。
そしてそれは、我々が披露し教授した技が、天眞正自源流の剣法として、日本武道の剣法として、正しいものであったとも言えると思う。
1971年の浅草尚武館開門まで、西暦931年以来1000年以上一子相伝において伝えられてきた御流儀が、現御宗家公認の元、混迷深める現代社会において平和大道に資すべく日本武道の活人剣の技と思想の普及を目標とし、国際的にも普及活動を始めたのはこのごく2~3年のことである。そして幸いにも、国籍及び言語の壁を超えて、御流儀の技と心が通じることが証明されつつあるのは、誠にありがたいことであると思う。「みずからをあらわす」という意味での、じげんりゅう・「自”顕”流」としては成功しつつあろう。
しかし、御流儀第十五代継承者である瀬戸口備前守政基公は、後年、”じげんりゅう”を「自顕流」から「自源流」と変えた。ただ単に己を顕して良しとするのではなく、それ以上の高みとして、自らの「源」を求めるべしとされたのだ。私たちもまた、先師のこの教えに習い、常に心の基本とするべきだと思う。
春日部の自源流の門を叩き、修行を続けている人々に、そのきっかけを尋ねれば、みなそれぞれは縁としかいいようがない不思議なきっかけである。今後人種国籍言語の壁を超えて自源流を紹介していく機会が広がるに連れ、また実に様々な縁で多くの人々がやってくることだろう。その方々に対し、御流儀の技を披露し自らを顕して自己満足に浸るのではなく、一人一人の人格の完成と、人生の充実に資するべく、彼らが自らの源を辿る手ほどきをするための技を伝えることができれば、素晴らしいことだと思う。
国外の自源流学習希望者の声を聞き、彼らが求めているものを知ることにより、あらためて自源流及び日本武道・文化についての見識を深めたい。また、自らを顕すという点を超え、自らの源を探すという御流儀名称の如く、人間存在そのものへの理解も深めたい。
セミナーを終えて
上杉義興
今回のアメリカ渡米。それは元々、世界を旅することが好きで、新しい世界を発見できたらという期待をこめて参加したものでした。今ま で、軽い気持ちで何度も世界へ武者修行のようなことをしてみたいと妄想にふけったりもしました。本当に起こるとは思っても みなかったと今は振り返っています。
来る前は、通訳で役に立つこと、どのくらいの剣の腕を必要とされるか等で不安は沢山ありました。出発一ヶ月前になり、勢いで参加して しまったことや、自源流を伝える一人であることを認識し始め、緊張の状態が続いていました。
実際にアメリカでは、歴史的な部分、剣の理合の説明について深く教えていく必要があります。その中で、沢山の人がいる中でも常に冷静 になり、即答で答えていけるようにならなければなりません。そんな中、心許ない通訳になってしまったことが今回の反省点と思えます。例 えば、抜刀で45°傾けることを説明する場合、手振りで様子を見せながらも言葉では"45 degrees"しか急には出てこないことがありました。
簡単だったことも説明できないというのが実情でした。そんな中でもアメリカ人の人達はできるだけ理解してくれようと耳を傾けてくれま す。素直に指導を受けようとする姿勢を見ることで、緊張感を保ちながらもなんとか指導を続けようと心がけることができまし た。
つたない英語でも伝わることはあります。組太刀の十二箇も行いました。その中で、”笠”は、基本的に”先の先”で行うことを最初に説 明します。そこをポイントとして「相手が来そうな雰囲気を感じ取る。そこで先に行動する」ことを一生懸命伝えようとしていたことを思 い出します。そのときも応用単語が思いつかず、”感じ取る”ことをただ”feel”という単語でしか表現できずに断片的な 説明をしていました。それでもアメリカの人は言いたいことを汲み取ってくれました。ある人が”anticipate(予期する、見越 す)”という、適切な単語を言ってくれたおかげです。
なので、仮に駄目な英語でも彼らは一生懸命聞いてくれるし、わかってきたら良い説明のヒントも与えてくれます。それを知っ ておけばより安心して話せると思うので、次回渡米する人達にこの情報がお役に立てていただければ幸いです。 人に教えることでは、どう伝えていくかについて少々考えさせられた部分もありました。今回では抜刀や納刀を教えたところでは、納刀の 時行う、刀の背を指先の上で走る所を親指で摘むことで行っている行為が見受けられました。その中で、最初に自分が行ってい た勘違いをほかの人もするものだということを学びました。
陰蜻蛉の構えでも、”相手に刃を見えないようにしておくこと”を念頭に説明していたつもりでした。それを意識して彼らの形だけは直し たように見えました。ただ、”刃を見えなくするとどこまでメリットがあるか”という点に関しては説明が完全にはできません。お そらくこの部分が熟練者と初心者が指導する本質的な違いだったということでしょう。現在は動作を覚えている段階ですが、もし次回行く としたら、よりアメリカ人によくわかって貰えるように、相手を制する動きを理解して剣の理合を説明できたらいいと望んでい ます。
一日目の午後の始めに初の演武を行ったことが今回のセミナーの一番の思い出となっています。演武中にわずかに体の中に残ってる訓練の 記録を呼び起こして自分自身の技を興すことができたので達成感はありました。この経験を通し、いろいろなことと向き合い、直 面していくことで、危機的状況も打開できる精神に発展していけたらいいと思っています。今回の演武はそのスタートラインとしても思え たので、そういった意味でも思い出深いものでした。
今回のアメリカのセミナーは、自源流を伝えに行くことでした。それに対し、実際は自分のことを立てることで精一杯でした。もし伝える ことが出来たとするならば、たった3ヶ月の経験でも異国の地にやってきたりして演武などを挑戦したいと思えるほど、自源流 には魅力があることではないだろうかと思います。
逆に参加者の中にも遠方から来た人もいて、外国人にとっても如何に自源流への憧れが強いかを痛感させられました。
これから、新しい技を覚えることばかり考えず、自分を見つめ、目指す姿をより明確な形で理解し、追い続けることを長く続けて行こうと 思います。 自分の剣により深く志が残りますように。
今回丁寧にセミナーの段取りと調整や通訳を担当していただいた杉山殿、 なかなか指導を受けられないジング先生を思いやり、出来るだけ指導する時間をとってあげようとしていた原師範、 演武と試斬で高度な技を外国の人達に披露した内記師範、 常に臨機応変に対応し、異国の地でも心動じず自源流の魅力を伝えていった上野景範最高師範に、今回新しい世界を発見させて いただいたことを感謝いたします。

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